戦後全国的にみても巨峰の一般栽培されている地域はなく、今でこそ親しまれている「巨峰」は、その栽培と流通の難しさから落第果実といわれていました。その巨峰をどうにか一般栽培に成功させようと、300年以上続く田主丸町の若竹屋酒造場、12代目蔵元「林田博行」が地元の農家と共に、巨峰の生みの親「大井上廉」氏の愛弟子である「越智道重」氏を田主丸に迎え、巨峰栽培研究を開始しました。そしてついに1957年に初の一般栽培に成功します。
巨峰植栽を推進してきた若竹屋12代目蔵元林田博行は初めて巨峰を口にした日から、ワインを造ることを考えていました。しかし、香りや酸味が弱い食用の葡萄のためワインには向かないというのが、当時の巨峰を良く知る者の定説であり、開発には困難を極めました。その思いを実現するべく、醗酵工学博士でもある13代目蔵元林田伝兵衛が巨峰ワインの研究開発に取り組みます。試行錯誤の末、元禄時代から続く日本酒の蔵元として、その醸造方法を応用しようと試みました。「巨峰にあった酵母があるはず」伝兵衛は単身フランスに渡り、ついにボルドーで極上の酵母を探し当てます。
開発から10年、ついに納得いく「巨峰ワイン」が生まれ、1972年「株式会社巨峰ワイン（通称：巨峰ワイナリー）」を創業しました。美しい耳納連山にある久留米市田主丸町の近郊は、巨峰をはじめ豊かなフルーツの里でもあります。近郊の農家さん達と関わるうちに、規格外のフルーツは破棄されるということがわかってきました。「果実は自然からの預かりものとして大切に扱う」その為に巨峰でワインを醸造するという技術力で、他のフルーツを原料としたフルーツワインの製造に着手しました。新鮮なフルーツは、収穫されてすぐに一つひとつ職人の手で仕込みます。
私たちは、小さなワイナリーです。だからこそできるフルーツワイン。地域の活性化を考え、自然の恩恵をいかす「農業の表現者である」ことが私たちが存在する意味だと考えています。

※飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁じられています。
※妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
※お酒は適量を。